5月13日(金)

気仙沼大島へ
東京駅を出て気仙沼についたのは13時30分、駅からタクシーでフェリー乗り場へ行き14;10頃に気仙沼大島到着。
船着き場からすぐの漁協の建物はガラス窓が大きく壊れた状態。

漁協の水上忠夫氏と相談しながら現状を把握し、資料をどのように保全するかを検討した。
現在の建物は今後は使用せず、別場所への移転を検討していること。

資料の現状
1階事務所
現用資料は泥水を吸水したまま床に山積みになっているので、カビや腐敗が進行しているが、漁協は他の業務に忙殺され取捨選択する暇がないため放置されている現状。
2階
・2階には明治以来の資料が大島漁業組合資料文庫としてきちんと年代別に整理され、可動書架に収めたうえで扉のしまる小部屋に入っていた。
・小部屋が山側にあったことから資料は直接海水をかぶってはいない
・書架が歪んでしまったために引き出すことができない状況。
・2階の会議室や廊下にも古い帳簿類や綴りが散らばっている。

対応策
1階
少なくとも平置きにして風に当てて乾燥させることが必要と判断。がれきが散乱している売店のスペースをかたづけて机などを並べ、資料を広げたのちに、エタノール(70%希釈)を噴霧する。
2階
・「文庫」は書架が取り出せない状況があるため他の棚に収めなおし、エタノール(70%希釈)を噴霧する。
・階段、廊下、会議室などに散乱している資料はある程度の塊ごとにバンジョウに収納し会議室に仮置きしエタノール(70%希釈)を噴霧する。

以上の作業はある程度の資料の移動を伴うので、まず資料の大体の元位置を示す略図を作成し、資料の大まかなかたまりごとに仮番号を付与、今後はその仮番号をもとに作業を行うこととした。
仮番号は 1階事務所は 1−1〜1−9
     2階は    2−1〜2−6 とする。

        

夕刻、気仙沼リアスアーク美術館の川島秀一氏と国立歴史民俗学物館の丸山泰明氏が揃っておいでになり、壊滅的な被害を受けた気仙沼の小々汐の尾形家の文化財救出活動のなかで、15年ほど前に常民文化研究所が返却した古文書の一部と思われるものが発見されたという朗報をおしらせいただいた。
また川島氏や丸山氏とは、気仙沼文化財のために現場同士のネットワークを組んで協力しながら進めていくことを確認した。

その後川島氏、丸山氏、田上所員、前田所員の4人で小山家を訪問し、所蔵古文書の状態を確認した。
訪問すると庭先には様々な漁具などの民具や古い襖などが処分のために出されていたため、川島氏のほうからそれらを処分をしないようにお願いしていただいた。

作業を終え、本日ずっとおつきあいいただいた今回の宿舎黒潮旅館のご主人堺健氏の運転で宿舎へ。

17:30 夕食
21:00 ミーティング